真人間を目指すためのログ

その日したこと、観たもの、読んだもの等の記録

(2018/6/1)

1日ということで映画を観に行った。見たのはピーターラビットである。なかなか、だろうか。まあ如何にも英国のコメディ映画という感じではある、と思ったらアメリカ合衆国・オーストラリア・イギリスの合作らしい。前から思っていたが映画の合作ってなんなんや? あと元々絵本のピーターラビットってこんな話なのだったっけ? まあかなり脚色はされていると思うが。少し感想を言うともうちょっとトーマスの見せ場があってもよいと思った。やはりウサギたちよりも人間のトーマスが魅力的なキャラだと思うんだよな。

スーパー銭湯に行ったら漫画がおいてあって、「響 小説家になる方法」という漫画を読んでみた。内容はまあ文芸漫画と見せかけたヤンキー漫画のようなものなので、ワナビーが小説家になるために奮闘するといった真面目な内容を期待してはいけない。amazonレビューでの低評価はやはり期待したものと違うとそうなるのだろう。しかしなかなか面白く6巻くらいまで読んだが、その後はまあいいかなという感じである。文芸に関するあれこれの話は最初よりさらに少なくなったし、モブみたいなキャラが増えてリカの出番は少なくなってしまった。このリカという子はギャルといった感じで、とても可愛いかったのだが……

で、純文である。純文学といったジャンルのあれこれについてはそれなりに言いたいことがあるが長くなるのでここでは書かない。(ではいつ書くのだという話だが……)まあ最近の芥川賞のいくつかは面白い「苦役列車」「火花」「コンビニ人間」といった感じだろうか。これらの小説には皆ユーモアが見られるからかもしれない。芥川賞受賞の「ブエノスアイレス午前零時」はあんまり面白くはなさそうだがこの藤沢周の書いた「箱崎ジャンクション」はとても好きなんだよね。タクシー運転手の話だがそれも車が出てきて首都高を舞台としているので単に自分に合っているからかもしれないが。
図書館に行ってなんか純文とされるものを読みたくなったので探したが、純文というか単に昔の小説だが谷崎とか志賀直哉とかはもういいかな……谷崎は春琴抄だけ読んだくらいで長いのは読んでないが、まあ痴人の愛とかあれは当時のラノベみたいなものだろう。
まあ昔の小説家の中では川端が一番面白いよね。「伊豆の踊子」「雪国」「眠れる美女」「みずうみ」「たんぽぽ」等。川端の後期のものは異様な作風になり、「たんぽぽ」は”気違い病院”の話なのだが(作中でそう表記される)これがまあ幻想的な話なんである。どうやら未完らしいが。あと「美しさと哀しみと」はなんか変な話で「噛んで」とかいう台詞があって確か着物の帯を噛んだんだかなんなんだか川端の趣味全開やなあと思った。

とにかく図書館で本をぱらぱらとめくっていたらどうにも文字に入り込めないような感覚がある、こうやってほとんど何も考えずに自分で文章を垂れ流すことはできるんだが。なので村上春樹の最近のものはだいたい読み直したが前半の小説も読み直すかということで文庫で「世界の終り~」を借りた。それにしてもいつも思うのだけど小説というものはとにかく数百ページをなんらかのテキストで埋めなければならないはずだが、とにかくフィクションに入り込むのが苦手な私はその小説がどんなことでテキストを埋めているかが気になるというか、それがわかればもうその後は読む気力を失ってしまうことが結構ある。この小説はこういった文体まで最後までいって終わるんだろうな、ということがわかればもうそれでよくなってしまうというか。「コインロッカーベイビーズ」も途中まで読んでだいたい何が書いてあるかわかったからあとはもういいというか。「インザミソスープ」は最後まで読んだがあれは面白い。第二章だったかよくあんな文章でよく書いたなあという感じである。あと村上龍で最後まで読んだのは「共生虫」とか「希望の国エクソダス」とかやな。

とにかく何が言いたいのかというと俺はなにで持って小説のテキストを埋めたらいいのかがわからない。やっぱり人間的なあれこれに興味がないんやろうなあ。自分にとっては風景があればいいというか、それでドイツロマン派の画家のC.D.フリードリヒなんかが好きなんだろうなと。フリードリヒの絵に描かれた人間は風景の一部となっていて、人間をメインには描いてはいないのである。あのロマン派的な感覚はよくわかるというか、絵の中に情感が描かれているように感じる。あとやっぱりシュルレアリスム絵画は面白い、レメディオス・バロレオノーラ・キャリントンフリーダ・カーロレオノール・フィニ、イブ・タンギーという名前を最近知った。いやシュルレアリスムの影響を自称するなら知っておけという話だが……にわかであることがばれてしまう。マルドロールの歌も全部読んでないしな。……こんなふうにオートマティスムに書いていると話がどんどん脱線していってしまう。