真人間を目指すためのログ

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アニメ Angel Beats! 二回目視聴の感想(2)

またエンジェルビーツに考えていたので少し追補。やはりABは糞アニメという評価が出てくるのは仕方がないというか、神への反抗といいつつ実際にやってることといえば食券を巻き上げたり、テストで天使を落としいれたりすることなのだから、茶番に見えてもしかたがない。まあ実際に茶番なのだが、モラトリアムの話なんだよなあれは。

それにしてもゆりっぺの感情が浄化された理由ってなんだっけ。12話を思い返してみてもよくわからないのである。まさかモニタ破壊が気持ちよかったからではないだろうが。
ではゆりっぺの感情の浄化に繋がるような、またしても物語上の別の可能性を考えてみよう。

 ①ゆりっぺが仲間とのつながりを確信する。 ②天使(かなで)と和解する。 ③ あの世界の真相や意味を知る。 

死んだ世界戦線ラブライブのようなみんな連帯といったところはなく、特に仲間意識もなく最後も銘々一人ずつ消えていく。しかしここで皆と出会えた、という点はゆりっぺになんらかの意味をもたらしたのだろうか。なんにも描かれてないが、そもそもABは茶番なのである。俺たちの戦いはこれからだ!俺たちの戦いは終わった!という連帯意識はそもそも意味を持たないのである。そういえば最後に残る四人以外はいきなり消えていた。最終話になって本当に突如としていなくなっているのである! あれも思えばあれでよかったのかという思うところではある。というのは最終話は平和な感情が流れてるんだけど、校歌歌ったりやってることといえばどうもつまらない。まあメンバーが全員残ったとして、一人一人を描くのは無理だったろう。

②神の御使いとされる天使と和解するのは神と和解する象徴的表現と受け取ることができる。かなでと出会って、ゆりっぺが初めて本当に心を許せる相手ができた、という展開。しかしかなでは最初から天使ではなく、かなでとゆりっぺが仲良くしているシーンなど描いても和解するもなにもなく、そもそも死んだ世界戦線は最初から天使に敵対する理由などないのである。つまりABは茶番なのである。1話では一体どうしてかなでをスコープで狙っていたのだろう? その後のかなでをテストで落としいれる場面では一緒に教室にいるのである! その時に狙えばいいのにと思うが、別に天使の命を狙っていたのではないらしい。深く考えてはいけない。

③ ゆりっぺが神に対して敵対するのは、自分の理不尽な運命の理由を知りたかったからといえるだろう。だがこの問いには直接答えることができない。何故ならそれは我々のこの世界でも大問題といえるからである。しかし世界の真相を知ることがどうしてゆりっぺの感情に関わりがあるのか。
またしてもどうでもよくなってきた。もう一度アニメ本編を見返してみる必要がありそうだ。

はい12話の最後の場面ちょっと見直しました。そもそもそんなに唐突でもなかった。一体今までの考察はなんだったのか。大ちゃぶ台返しである。そもそもあの世界は消えようと思えばいつでも消えられるような世界なのである。ゆりっぺのシーンはあれでだいたい十分だったのではないか。神への反抗というテーマからすれば、もっと深遠なところまでテーマ的に掘り下げていって欲しかったというのは確かだが。 

もういいだろう。真面目な考察をして本当はABを肯定的に評価したいはずなのにどうしてこうなってしまうのか。まあ可能世界の話をしても実際にそうはならなかったのだから、空しいのは確かだ。麻枝も不十分な点というか色々思うところあってゲーム化したんだろうけど、ゲーム一巻目は確か松下五段の話だったと思うが過去の事情を描かれてもやはり特に面白くはないのだった。SSSメンバーが何人いるのか忘れたが、全員の話をやるとそれはそれは大変だしマンネリにもなるだろう。続編が頓挫したのは必然だったのだと思う。

もちろん私はABを糞アニメだとは思っていないのでこうして色々考えているのであるが、茶番的に見える部分とシリアスを両立させるのはやはり大変だったというか、死語の世界という特殊な世界観だったため色々と齟齬が発生したものと思われる。だが神への反抗というのは普遍的なテーマであるはずなので、そこを象徴的に観れるかどうかがAB評価の分かれ目な気がする。

次はシャーロットを見て思うところあれば考察しよう。ゆりっぺは天使。ゆりっぺは神。以上。