真人間を目指すためのログ

その日したこと、観たもの、読んだもの等の記録

(2019/12/03)

映画『リズと青い鳥』 ・少女ばかりがたくさん出てくる。・「美少女動物園」の『けいおん!』から数年、非常に洗練されたこれはもはや「美少女博物館」の域に達している。・絵本「リズと青い鳥」の原作は岩波文庫赤帯。ドイツ語の本らしい。だが吹奏楽の音楽から連想されるドビュッシー、青い鳥の作者メーテルリンク原作のオペラ『ペレアスとメリザンド』。これはアニメーションによる印象主義ではないか(ここでいう印象主義とは音楽での印象主義)。・疎外感を伴った退屈さ。ヘテロセクシュアルと男性性の不能を味わった。・ガチ恋愛(同性愛)を回避するための百合という方法。しかしある意味残酷なものに思える。片方が恋愛対象として相手を求めた場合、幼いときの戯れにすぎないものとして簡単に梯子を外すことができる。「何本気にしてるの?」私には鎧塚みぞれはそのものレズビアンに見える。(しかし、傘木希美はそうではない)・けいおんでは許されていた男性の想像力(ペニス)の入る余地はもはや全く存在しない。勃起したペニスで障子を破るあれのように、スクリーンを破ることは不可能だ。ペニスの居場所は彼女たちの持つ楽器にかろうじて見出すしかないのだろうか(例の、男根のメタファー)。もちろん楽器はフェティッシュな対象である(当然そのように強調されて描かれてはいないが)。・室内(学校)ばかりで話が進む。最後にやっと外に出るのだが、道端の風景がほんの少し描かれるだけだ。大枠ではみぞれも希美も鳥かごの中にいる話、に見える。