そういえばあまりいってないけど、マルクス以前に空想的社会主義者というのがいる。フーリエ、サンシモン、オーエンの3人なんけど、これ「空想的」という語感で考えるのまちがっていて(そもそも訳がおかしい)、オーエンとか工場経営していてマジえらいですよ。ああいうのがいいと思うな。
— 東浩紀 Hiroki Azuma (@hazuma) 2021年9月29日
コロナでいよいよ資本主義は終わるとかわけわからんこといってないで、ユートピア的社会主義(本当はこの訳が正しい)を、21世紀の情報技術を前提にしっかり具体的にやり直せばいいんですよ。まずはそこからだと思うんだけど、マスコミはどの国でもデカイ無意味な話が好きなんだよね。
— 東浩紀 Hiroki Azuma (@hazuma) 2021年9月29日
最近自分が思っていた以上に東浩紀のファンであることに気づき、ほぼすべての著作を読もうと今まで読んでいなかった本を買い集めているのだが、あずまんのこの発言はちょっと驚いた。東浩紀の評論から今のところシャルル・フーリエらユートピア社会主義に言及している箇所はまだ発見していない(あったのかもしれないが憶えていない)。だがこれは『クォンタム・ファミリーズ』冒頭の葦船往人のブログ網状地下室につながる話じゃないか。葦船往人は未来の地下室人は宗教的にではなく工学的に救われるべきだとする。あの思想がどこから来たのかよくわからなかったのだけど、ユートピア社会主義が影響を与えていたのだろうか。もちろん地下室人とはドストエフスキーの地下室人を想定したものであり、地下室人は水晶宮(ユートピア社会主義の象徴)を嫌悪しているのだが、ドストエフスキーは若い時にフーリエ主義に傾倒していたというから、それを知っていれば東浩紀からフーリエらの名前が出ても特に驚きはなかったのかもしれないが。
ゲンロンでこんな記事があった。あと
「東さんが独自の放送プラットフォームつくろうと思った裏にはロバート・オーウェンとかの空想的社会主義からのインスパイアがあったっていう話」
なんと……これはもう当の文献を読んだほうがいいかもしれない。でフーリエについてみてみたら、ブルトンらシュルレアリストに影響を与えたということで、著作に『愛の新世界』なんてものがある。性愛における共産主義(多妻多夫)が説かれた奇書とのことで、2006年に出た翻訳がある。ヒュームの『人間本性論』の翻訳が出た以上の激ヤバ本か? あとフーリエの『四運動の理論』はあの巖谷國士訳だ。これも読んでみたい。
クリュセの魚で火星の首都がフーリエです。 https://t.co/M3kq621b7W
— 東浩紀 Hiroki Azuma (@hazuma) 2017年4月8日
これはそうかもしれないと思います。フーリエの欲望の共同性。 https://t.co/XmDiFT632b
— 千葉雅也『オーバーヒート』発売 (@masayachiba) 2017年4月8日
やはり『クリュセの魚』のフーリエは数学者のジョゼフ・フーリエではなくシャルル・フーリエのほうらしい。クリュセの魚も読み直す必要があるようだ。