真人間を目指すためのログ

その日したこと、観たもの、読んだもの等の記録

(2023/01/06)

(前回の追記)アバター(2009)は分身を作りメタモルフォーゼすることで異なる種族に感情移入でき、またそれは3D映画の技術によって可能になるというキャメロンの戦略があったはずだ(当時読んだレビューでいいものがあったはずだが、もはや見つからない)。だがウェイオブウォーターでは現代アメリカの都市に住んでいる人たちがコスプレしているようにしか見えず、水の部族と喧嘩をするところなどアメリカのヤンキー同士の抗争のようである。いくら自然を綺麗に描きあの海の生物を出したところで前作にあったアバターのラディカルな意味は失われているよね、というのが今作の評価。あと、すずめの戸締りもウェイオブウォーターもある意味架空の国民的物語を創造しようとする点で共通しているように思える。

THE FIRST SLAM DUNKはよかった。原作未読だとまったく状況がわからないためこれはファンムービーで映画になっていないのではないかと思ったが、最後まで見ればちゃんと映画として成立しているものだった。試合は山王戦しか描かれてないが、再構成がなされ単なるノスタルジア映画にはなっていない。このような方法は必然だったことがわかる。

あえてすずめの戸締りと比べる。スラムダンクもすずめの戸締りも親子のテーマを扱っているが、スラムダンクの描き方はよかった。というよりいきなり台詞で親への思いをぶちまけるすずめの戸締りに比べ、ちゃんとシーンを積み重ねて描くという映画として当たり前のことをしている。CGの映像はキャラクターだけでなく沖縄や海の表現など美術もよかった。個人的にはまだアニメーションに可能性はあると思えたのが大きい。